心地よい毎日をつくる「やらないことリスト」のやさしい始め方
忙しい毎日から、少しだけ「ゆとり」を生み出すために
毎日、家事や育児、お仕事に追われていると、「自分の時間がない」「いつも時間に追われている気がする」と感じることはありませんか。やらなければならないこと(ToDoリスト)はどんどん増えていくのに、心地よい時間や心のゆとりは、つい後回しになってしまいがちです。
頑張り屋さんのあなたほど、「あれもこれも完璧にやらなきゃ」と自分を追い詰めてしまうことがあるかもしれません。でも、すべてを完璧にこなそうとすると、心も体も疲れてしまいます。
このサイト「自分らしい時間リズム」では、効率化や生産性を追求するのではなく、日々の暮らしの中に「自分らしい心地よい時間」や「心のゆとり」を取り戻すためのヒントをご紹介しています。今日は、そのための方法の一つとして、「やらないことリスト」という考え方をご紹介したいと思います。
ToDoリストとは反対に、「あえてやらないこと」を決めることで、不思議と心にゆとりが生まれることがあります。難しく考えずに、やさしい気持ちで始めてみませんか。
「やらないことリスト」とは、何を「手放す」こと?
「やらないことリスト」は、文字通り「やらないこと」を書き出すリストです。ToDoリストが「これからやること」を明確にするのに対し、やらないことリストは「もうやめよう」「手放そう」と決めることを書き出します。
これは単にサボるということではありません。限りある時間やエネルギーを、本当に大切にしたいこと、心地よいと感じることに使うために、優先順位の低いことや、自分を苦しめている習慣を「手放す」ための前向きなリストです。
「やらないことリスト」をつくる目的は、タスクを減らすことだけではありません。
- 心の中の「〜ねばならない」という完璧主義を手放すこと
- 自分や家族にとって、本当に大切な時間を見つけること
- 無駄な焦りやストレスを減らし、穏やかな気持ちで過ごすこと
- 自分自身を大切にする時間やゆとりを生み出すこと
こうした、心地よさや心のゆとりに繋がる変化を期待するものです。
なぜ、忙しい私たちに「やらないことリスト」が必要なのでしょうか
家事に完璧を求めすぎたり、つい「きちんとやらなきゃ」と頑張りすぎてしまうことはありませんか。
例えば、
- 「お客様が来るわけでもないのに、毎日隅々までピカピカに掃除しないと落ち着かない」
- 「手作りの食事でなければ、家族に申し訳ない気がする」
- 「子供の宿題や持ち物の準備を、先回りして全部やってしまう」
- 「頼まれごとを断れず、自分の時間がなくなってしまう」
こうした「〜ねばならない」という気持ちや習慣は、気づかないうちに私たちから時間や心のエネルギーを奪っています。頑張っているのに、なぜか満たされない、いつも時間に追われている、そんな気持ちになる原因かもしれません。
「やらないことリスト」は、こうした無意識の「〜ねばならない」を見つけ出し、「これは、もう手放しても大丈夫」と自分に許可を与えるツールになります。手放すことでできた時間や心のスペースに、心地よい風を通してあげるのです。
「やらないことリスト」のやさしい始め方
さて、「やらないことリスト」はどのように始めたら良いのでしょうか。「リストなんて作ったことないし、難しそう…」と思うかもしれませんね。でも、大丈夫です。まずは、小さな一歩から、やさしい気持ちで始めてみましょう。
ステップ1:心の中の「〜ねばならない」を見つける
まず、最近あなたが「これはちょっと負担だな」「本当はやりたくないけど、やらなきゃいけないと思っている」と感じることや、つい頑張りすぎてしまう習慣をいくつか思い浮かべてみてください。
ノートの片隅でも、スマートフォンのメモ機能でも構いません。いくつか書き出してみましょう。完璧なリストを作る必要はありません。思いついたものから、気軽に書き出してみてください。
例えば、こんなことでも良いのです。
- 毎日欠かさず、玄関のたたきを水拭きすること
- すべての家事を、一人で抱え込んでしまうこと
- SNSを寝る直前までチェックすること
- 子供の友達が遊びに来るたびに、家をモデルルームのように片付けること
- セールだからといって、必要ないものを買ってしまうこと
ステップ2:その中で「やめても大丈夫かな?」と思うことを選ぶ
書き出したものの中で、「これは、もしやめても、実はそんなに困らないかもしれない」「少し力を抜いても良いかも」と思えるものをいくつか選んでみましょう。
最初は一つか二つで十分です。すべてを手放す必要はありません。
選ぶ時のヒント:
- やめたら、少し心が軽くなりそうなこと
- やめたら、ほんの少しでも自分の時間が増えそうなこと
- やめても、誰かに大きな迷惑がかかるわけではないこと
ステップ3:選んだことを「やらないことリスト」に書く
「今日からやらないことリスト」として、選んだ項目を書き出してみましょう。
例:
- 完璧な部屋を目指して、毎日長時間掃除機をかけるのはやめる。(今日はリビングだけにする、など)
- 疲れている日は、惣菜や外食に頼ることを自分に許す。
- 子供の頼まれごとを、すぐに引き受けるのはやめる。(自分でできることは任せてみる)
- 朝一番にスマホをチェックするのをやめる。
ステップ4:やらないことを「試して」みる
リストに書いたことを、試しに「やらない」一日、一週間を過ごしてみましょう。
もし、完璧に「やらない」ことが難しくても、自分を責めないでください。「今日はちょっと手を抜いてみようかな」くらいの軽い気持ちで試すことが大切です。
やらないことで、どんな変化があったか、どんな気持ちになったかを感じてみてください。心にゆとりが生まれたり、時間ができたりしたら、それが「やらないことリスト」の効果です。
もし、やらないことで困ったことが起きたら、またリストを見直せば良いのです。このリストは、あなた自身のためのものですから、いつでも自由に変えて構いません。
「やらないことリスト」が生み出す、心地よい時間
「やらないことリスト」を実践することで、まるでぎゅうぎゅう詰めの荷物を下ろした時のように、心と体にスペースが生まれることがあります。
例えば、毎日徹底的に掃除をするのをやめてみたら、代わりに読書をする時間ができたり、温かい飲み物をゆっくり味わう時間ができたりするかもしれません。すべて自分で手作りするのをやめてみたら、家族と会話する時間が増えたり、早く休むことができるかもしれません。
ある主婦の方は、「子供が学校から帰ってきたときに、すぐに完璧な状態の部屋じゃなくても大丈夫」と決めたそうです。そのおかげで、バタバタと片付ける時間をなくなり、子供の話をゆっくり聞くゆとりが生まれたと話されていました。完璧を手放したことで、家族との心地よい時間が増えたのです。
「やらないこと」を決めることは、自分自身に「完璧でなくていいよ」「頑張りすぎなくていいよ」と優しく語りかけることでもあります。その優しさが、忙しい日々の中に、自分らしい心地よい時間やゆとりを生み出す第一歩になるはずです。
まとめ:自分にやさしく、心地よさを優先する選択を
「やらないことリスト」は、効率を上げるためのツールではなく、自分を大切にし、心にゆとりを取り戻すための考え方です。
リストを作ることで、あなたの時間やエネルギーを奪っていた無意識の「〜ねばならない」に気づき、それを手放す勇気を持つことができます。
完璧を目指すのではなく、「これなら手放せるかな」「これをやめたら少し楽になるかな」という視点で、やさしく始めてみてください。もしリスト通りにできなくても、自分を責めずに、また明日から試せば良いのです。
忙しい毎日の中で、ほんの少しでも心地よい時間、穏やかな時間が増えることを願っています。やらないことを選ぶ自由を、自分に与えてみませんか。